非公式黄リー教道場:13. The Kaleidoscope’s Colorful Chronicles

第13回「非公式黄リー教道場」へお越しいただき、ありがとうございます。

今回のテーマは「万華鏡」

小さな筒の中を覗くと、そこにはカラフルな光の世界が広がっている…その光景に、誰もが一度は驚いた経験があるはずです。

今日は100語の英文を通じて、この「万華鏡」誕生の歴史を紐解いてみましょう。

ルールはいつも通り。

  • 下記の英文(100語程度)を読んで、構造図を考える
  • 理解度をチェックする
  • 和訳をチェックする
  • 構造図・解説をチェックする
  • 面白かったらお友達に紹介する
  • 面白くなくても文句を言わない
  • 間違いを見つけたら、優しく指摘してあげる
目次

本文

The Kaleidoscope’s Colorful Chronicles

The kaleidoscope, invented by Sir David Brewster in 1816, has a fascinating history.

Its creation stemmed from an accidental discovery during his experiments with light polarization. He stopped where he discovered the stunning visual effects produced by mirrors and colorful objects and began working on the invention.

The device is unique in that it offers endless variations of beauty with every turn. It became immensely popular due to its mesmerizing patterns and captivated audiences wherever it was displayed.

The Victorian era embraced the kaleidoscope, where it became a fashionable parlor toy and reached the height of its popularity.

Brewster’s invention has continued to enchant people with its timeless and captivating allure ever since.


理解度チェック

次の内容が正しければT、正しくなければF、言及されていなければNを選んでください。

※タップすると解答が表示されます。

The kaleidoscope was created as a result of an accidental discovery during an experiment.

T

第2段落に「Its creation stemmed from an accidental discovery during his experiments with light polarization.」とあるように、万華鏡の誕生はブルースターが偏光の実験中に偶然発見した美しい視覚効果がきっかけとなりました。

The kaleidoscope was widely accepted because it was affordable.

N

これについては本文で言及されていませんが、実際に比較的手ごろな値段で購入できたことが、万華鏡が普及した理由の1つに挙げられるようです。

The kaleidoscope reached the height of its popularity before the Victorian era.

F

第4段落に「The Victorian era embraced the kaleidoscope, where it became a fashionable parlor toy and reached the height of its popularity.」とあるように、万華鏡はヴィクトリア朝時代に人気の絶頂期を迎えました。

和訳

万華鏡のカラフルな年代記

1816年にサー・ディヴィッド・ブリュースターが発明した万華鏡には、興味深い歴史がある。

その誕生は、ブリュースターが偏光の実験中に見つけた偶然の発見から始まった。

鏡とカラフルな物体によって生み出される驚くほど美しい視覚効果を発見したところで、彼は実験を中断し、万華鏡の発明に取り掛かった。

この装置は回転するたびに無限の美のバリエーションを楽しめるという点でユニークなものだ。その魅惑的な模様によって絶大な人気を博し、どこに飾っても、見る人たちの心を奪った。

万華鏡はヴィクトリア朝時代に広く受け入れられ、流行りのパーラー・トイになると、その人気は絶頂を迎えた。

ブリュースターの発明品はそれ以来ずっと、時代を超越した心奪われる美しさで、人々を魅了し続けている。


下記の構造図・解説は、あくまで「英語学習者」である管理人によるものです。誤情報が含まれている可能性もあるため、十分にご注意ください(コメント欄またはTwitter(X)にてご指摘いただけますと幸いです)。
なお構造図・解説はすべて『黄リー教』の内容に基づいています。詳細は『黄リー教』および副教材をご確認ください。

構造図

特殊な構造図記号

cj…従属接続詞
+ad…誘導副詞
+S…真主語
-S…仮主語
+O…真目的語
-O…仮目的語

解説

第1段落

The kaleidoscope, invented by Sir David Brewster in 1816, has a fascinating history.

inventedは過去分詞形容詞用法もしくは過去分詞の分詞構文です。過去分詞形容詞用法の場合は、kaleidoscopeを修飾しています[黄リー教: P423 20-5]。直前にコンマはありますが、これは挿入句とともに用いるコンマなので、「コンマがある=分詞構文」と考える必要はありません(『英語リーディングの真実』に同様の使い方があります)。分詞構文の場合、前の働きは動詞修飾(has)で、意味は「付帯状況」です[黄リー教: P210の例文、P414の一番上の例文および一番下の例文、P432 20-7]。

第2段落

Its creation stemmed from an accidental discovery during his experiments with light polarization. He stopped where he discovered the stunning visual effects produced by mirrors and colorful objects and began working on the invention.

stoppedは「中断する」という意味で、当初行っていた偏光の実験を途中でやめたことを表します。その理由はwhere以降で明らかになります。

このwhereは従属接続詞です。「He stopped」は完全な文で、足りない要素がありません。先行詞に当たる名詞もないため、形容詞節が続く可能性も考えられません。よってwhere以降は副詞句になるはずです。whereには疑問副詞、関係副詞、従属接続詞の可能性がありますが、副詞節を作るwhereは従属接続詞だけなので、このwhereは従属接続詞と判断できます[黄リー教: P390 19-2]。外側はwhere~objectsまでが副詞節で、動詞修飾(stopped)です。従属接続詞のwhereは「~するところで」という意味ですが、ここでは「実験がある地点に差し掛かったところで」のような内容になります。ようするにブリュースターは偏光の実験をしていたのですが、鏡とカラフルな物体によって生み出される思いがけない視覚効果を発見したところで、万華鏡のアイデアを思いつき、実験を中断して、そちらの開発に切り替えたということですね。この文脈におけるwhereは、従属接続詞のwhenとほぼ同じ意味であり、実際にwhenで言い換えても問題ないと思います。

producedは過去分詞形容詞用法で、effectsを修飾しています。

workingは動名詞で、beganの目的語になっています[黄リー教: P362 18-2]。

第3段落

The device is unique in that it offers endless variations of beauty with every turn. It became immensely popular due to its mesmerizing patterns and captivated audiences wherever it was displayed.

in that SVは「~という点で」を表す前置詞句です。thatは従属接続詞で名詞節を作り、inの目的語になっています。that節が前置詞の目的語になる場合、通常は前置詞を省略しなければいけません。ただしこのルールは、「in, except, but, save以外の前置詞」という条件付きでしたね [黄リー教: P322]。

whereverは複合関係副詞で、外側はwherever~displayedが副詞節で動詞修飾(captivated)、内側の働きも動詞修飾(was displayed)です[黄リー教: P340 17-9-2]。複合関係副詞には2つの訳し方がありますが、今回は「万華鏡が展示されるところではどこでも」「どこに万華鏡が展示されようとも」のどちらでも問題ないと思います。

第4段落

The Victorian era embraced the kaleidoscope, where it became a fashionable parlor toy and reached the height of its popularity.

embraceは「受け入れる」という意味ですが、主語が無生物なので、「万華鏡はヴィクトリア朝時代に広く受け入れられた」と訳すと、自然な日本語に近づくと思います。

このwhereは関係副詞です[黄リー教: P263 14-1]。「The Victorian era embraced the kaleidoscope」は完全な文で、足りない要素はありません。whereが疑問副詞の場合、名詞節(関節疑問文)を作るため、名詞が余ってしまいます。従属接続詞だと副詞節になるため、構造上の矛盾はありません。しかし「万華鏡が~したところで、ヴィクトリア朝時代に流行った」では意味(事柄)が通じないため、従属接続詞の可能性もなくなります。するとwhereは関係副詞になるはずです。問題は先行詞ですが、kaleidoscopeはwhereの先行詞にふさわしい語とは言えず、無理やりつなげたところで意味が通じません。すると残った名詞はThe Victorian eraで、これがwhereの先行詞に当たります。先行詞がeraなので、関係副詞はwhenでも良さそうですが、当時の時代背景や状況、あるいは当時のイギリスという空間的な広がりをイメージしているため、関係副詞がwhereになっていると考えられます(関係副詞のwhereは具体的な「場所」以外に、抽象的な概念に対し広く用いられます)。

parlorは応接間や居間を指し、parlor toyはそこに置かれる玩具や遊具を指します。19~20世紀頃には、応接間に集まった客人をもてなすため、パズル、万華鏡、機械仕掛けの装置など、さまざまなparlor toyが用意されていたそうです。直接日本語に変換することが難しそうなので、ここでは単に「パーラー・トイ」としておきます。

第5段落

Brewster’s invention has continued to enchant people with its timeless and captivating allure ever since.

continuedはhave助動詞を着ているため、過去分詞形の4つの可能性の中の完了です。文末にever sinceがあることからも分かるように、「継続」を表しています[黄リー教: P156 9-4]。

to enchantは不定詞名詞用法で、continuedの目的語になっています[黄リー教: P373 18-7]。

余談

今回の非公式黄リー教道場は「私がとてもお世話になっている友人」をテーマにしてみました。

本文にもあったように、万華鏡は英語で「kaleidoscope」といいますが、これは古代ギリシア語で「observation of beautiful forms(美しい形を見ること)」を意味する言葉なのだそうです。

まさに万華鏡とその魅力にピッタリのネーミングですね。

ちなみに日本語では、「万華鏡」に対する他の呼び方もいくつかあるみたいです。たとえば「錦眼鏡」とか、あるいは「百色眼鏡」とか…。

日頃の感謝を込めて。

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この記事を書いた人

とりいのアバター とりい 黄リー教多読部部長

元英語嫌いのアラフォー。『黄リー教』に魅了されて以来、英語学習にハマっています。『黄リー教』への恩返しのため、主に学習サポート情報を発信中。ただし、あくまで素人の見解なのでご注意ください。少しでも皆様のお役に立てたら幸いです。

好きなこと:妻との散歩・旅行・NFL

ご意見等ございましたら、Twitterまでご連絡ください。

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