L11以降は、前半に学んで基礎をベースに、
- 準動詞
- 従属節
を勉強します。
準動詞・従属節はかなりややこしい上に、情報量も膨大です。
そこでいきなり後半に突入する前に、まずはこの2つについて簡単に整理しておきましょう。
準動詞
まずは「準動詞」の概要から確認します。
述語動詞と準動詞の違い
準動詞は動詞の一種でしたよね。
前半で登場した述語動詞に比べると、次のような違いがあります。
重要なポイントは、
- 文を作らない
- 1人2役
の2点です。これについて、少しだけ掘り下げてみましょう。
文を作らない
前半で学んだように、「文」は単なる「語の集まり」ではありません。「述語動詞」があって初めて、正式な「文」として認定されます。
述語動詞がなければ、どれだけ長々と単語を並べても文にはならないし、逆に述語動詞があれば、どんなに短くても文と呼べる。
これが述語動詞の一番大切な役割でしたね。
一方で「準動詞」は、文を作ることができません。語群の中にいくら準動詞があっても、述語動詞がない以上、それは文になりません。
このように準動詞はちょっと不憫なところがありますが、その代わりに述語動詞にはない特殊能力があります。
それが「1人2役」になれる、というもう一つのポイントです。
1人2役
準動詞は「動詞」であると同時に、「名詞・形容詞・副詞」のいずれかの品詞を兼ねることができます。
2つの品詞を兼ねるということは、 1つの準動詞に対し、2つの「働き」があるということです。
これが準動詞の最大の特徴であり、私たち読み手にとっては、ややこしい点でもあります。
2つの働きを見つける
準動詞には「動詞」と「名詞・形容詞・副詞」の2つの働きがあります。
そのため構造図を考えるときは、必ず2つの働きを見つけなければいけません。
準動詞になる活用
「活用表」から「準動詞」になるものを抜き出すと、次のようになります。
「原形」の中の「toの後」と「make, have, letなどの補語」はどちらも「不定詞」を指しています。
ing形および過去分詞形では、どちらも「裸」のときに準動詞になることが分かります。
つまり準動詞は、
- 不定詞
- 裸のing
- 裸のp.p.
の3つに大きく分類できることになります。
準動詞の種類
これらの準動詞は、「動詞」であると同時に、それぞれ「名詞・形容詞・副詞」を兼ねるはずですよね。
そこで「不定詞」「裸のing」「裸のp.p.」をさらに品詞ごとに分類すると、次のような表になります。
これが準動詞の全体図です。
この表を見ると、たとえば裸のingのうち、「名詞+動詞」の働きをするのが「動名詞」。裸のp.p.のうち「副詞+動詞」の働きをするのが「分詞構文」であることが分かります。
ちなみに裸のp.p.は名詞を兼ねることはできません。
これまで活用表に名前だけ登場していた「動名詞」や「過去分詞形容詞用法」などの正体が、これではっきりしましたね。
L11以降では、これらを 1つ1つ丁寧に学ぶことになります。
※表の右下の数字は、該当するレッスン番号を表しています。
従属節
つづいて「従属節」です。
従属節も準動詞と同じく、1人2役の仕事をします。
従属節の場合は、「文」であると同時に、「名詞・形容詞・副詞」のいずれかの品詞を兼ねることができます。
内側の構造と外側の働きを見つける
従属節を見るときは、「内側」と「外側」という2つの視点が必要です。
「内側」とは、文字通り「従属節の内側の構造」を指します。従属節の内側も「文」になっているので、主語+述語動詞を中心に、文の構造図を完成させる必要があります。
「外側」とは、従属節を全体で1つのブロックと見なしたとき、そのブロックが「名詞・形容詞・副詞」のうちのどの品詞になっていて、どういう働きをしているか、という視点のことです。
上記の例文では、ブロック全体が「名詞」のかたまりを作り、thinkの「目的語(O)」になっています。
このように従属節の場合は、2つの側面から働きを見つける必要があります。
従属節の種類
従属節は「従属節を作る語」によって作られます。
そして「従属節を作る語」の種類によって、「外側」が「名詞・形容詞・副詞」のどれに分類されるか、あらかじめ決まっています。
たとえば「疑問詞」が作る従属節は、内側がどうであれ、外側は必ず「名詞」として機能します(=名詞節)。「関係詞」であれば通常は「形容詞節」になるし、「従属接続詞」は「名詞節」か「副詞節」を作る、といった具合です。
準動詞と同様に、L11以降は品詞別に 1つずつ従属節を学びます。
※表の右下の数字は、該当するレッスン番号を表しています。
以上が『黄リー教』の後半の概要です。
ちなみに『黄リー教』のレッスン順に示すと、
- 副詞の従属節
- 副詞の準動詞
- 形容詞の従属節
- 形容詞の準動詞
- 名詞の従属節
- 名詞の準動詞
- 裸のp.p.の準動詞
という流れで進行します。
後半は情報量が多く、内容もかなり複雑です。
迷子になりそうなときは、準動詞・従属節の表を確認しながら進めるようにしましょう。
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