こちらの記事では、前半の補足情報として、「進行形・受身・完了の例外」を整理しておきたいと思います。
※ 進行形・受身・完了の例外は、L12-8、L12-16、L18-3にも登場予定です。
L7~9で学んだように、進行形・受身・完了は「原則」として「述語動詞」になります。
ただし現在形・過去形と違って、「必ず」述語動詞になるわけではありません。
例外的に「準動詞」になることもあります。
この例外について、次の3つのステップで確認してみましょう。
- 進行形・受身・完了には活用がある
- 必ず準動詞になる活用がある
- 1が2に該当するとき
今回の記事は、かなり複雑な内容になっています。難しいようであれば、いったんスルーしても大丈夫です。
STEP1. 進行形・受身・完了には活用がある
本題に入る前に、ちょっとややこしい説明から…。
「進行形」と「受身」には、
「be助動詞+動詞」全体を1つの動詞として捉える
という「学校文法の捉え方」がありましたよね。
一方で「完了」には、このように「1つの動詞」とみなす考え方はありません。
ただし、完了が「準動詞」になる場合のみ、例外的に「1つの動詞」として捉えるルールが採用されます。
※とりあえず、そういうものとして読み進めてください。
今回は準動詞になるパターンを探しているわけですから、説明をシンプルにするために、完了も「1つの動詞」として捉えることにしましょう。
よく分からない、という方は、ここまでの前置きを無視して、とにかく「進行形・受身・完了」を「1つの動詞」として考えてください。
さて、ここから本題です。
このような捉え方をした場合、進行形・受身・完了はあくまで「1つの動詞」になるわけですから、動詞である以上、それぞれに「活用」があります。
進行形の活用
原形 | be -ing |
現在形 | is/am/are -ing |
過去形 | was/were -ing |
過去分詞形 | been -ing |
※ing形(being -ing)は存在しません。
受身の活用
原形 | be p.p. |
現在形 | is/am/are p.p. |
過去形 | was/were p.p. |
過去分詞形 | been p.p. |
ing形 | being p.p. |
完了の活用
原形 | have p.p. |
現在形 | have p.p. |
過去形 | had p.p. |
ing形 | having p.p. |
※have助動詞に過去分詞形がないため、過去分詞形は存在しません。
※P109, 128, 152参照。
「助動詞+動詞」の形になっているので、分かりにくいかもしれませんが、あくまで全体で「1つの動詞」と考えてください。たとえば「進行形の過去形」は「was -ing または were -ing」、「完了のing形」は「having p.p.」となります。
そしてこれらの動詞は、助動詞部分の活用が、そのまま動詞全体の活用を表すことを確認しておきましょう。
ここまでは大丈夫ですか?
いずれにしても、まずはこのように、
進行形・受身・完了には活用がある
という点を押さえてください。
STEP2. 必ず準動詞になる活用がある
活用表から「必ず準動詞になる活用」を抜き出すと、次のものが該当します。
原形の「toの後」と「make, have, letなどの補語」は、要するに「不定詞」のことです。またp.p.とingは、「裸」のときに準動詞になることが分かります。
このことから、動詞の活用が
- 不定詞※1
- 裸のp.p.
- 裸のing
に該当するときは「必ず準動詞になる」といえます。
これが2つ目のステップです。
※1 「不定詞」は「活用」ではありませんが、「原形」の中の「toの後」と「make, have, letなどの補語」を指していると考えてください。
※2 準動詞の詳細については、『黄リー教』の後半で勉強します。ひとまず「必ず準動詞になる」という点だけ押さえておきましょう。
STEP3. 1が2に該当するとき
STEP1では「進行形・受身・完了には活用がある」ことを、STEP2 では「必ず準動詞になる活用がある」ことを確認しました。
この2つの内容を組み合わせると、次の結論が導き出されます。
進行形・受身・完了は原則「述語動詞」である。ただし進行形・受身・完了の「活用」が、「不定詞」「裸のp.p.」「裸のing」に該当するときは、例外的に「準動詞」になる。
これが進行形・受身・完了の例外です。
そして「進行形・受身・完了」と「必ず準動詞になる活用」を対応させた表が、次のものになります。
ただし、これで完成ではありません。ここから余分な活用を取り除いていきます。
- being -ingという形は存在しない。
- 裸のbeenは存在しない。
- have助動詞に過去分詞形は存在しない。
これらの条件をもとに修正すると、次のようになります。
以上の活用については、進行形・受身・完了であっても「準動詞」になります。
さて最後に、
裸のing = 動名詞、現在分詞形容詞用法、分詞構文
という情報も加えて、進行形・受身・完了の例外(準動詞)の全パターンを挙げてみましょう。
- ① to be -ing
-
- 進行形不定詞
- ② to be p.p.
-
- 受身不定詞
- ③(裸)being p.p.
-
- 受身動名詞
- 受身現在分詞形容詞用法
- 受身分詞構文
- ④ to have p.p.
-
- 完了不定詞
- ⑤ (裸)having p.p.
-
- 完了動名詞
- 完了現在分詞形容詞用法
- 完了分詞構文
※STEP1で触れましたが、完了が準動詞になるとき、つまり「to have p.p.(完了不定詞)」と「having p.p.(完了動名詞、完了現在分詞形容詞用法、完了分詞構文)」になるとき、完了をhave助動詞+p.p.とはせず、全体で 1つの動詞として捉えます。
以上が進行形・受身・完了の例外になります。
かなりややこしい話になっているので、いますぐ理解できなくても問題ありません。後半で準動詞をしっかりと勉強してから、改めて確認するようにしましょう(私の場合、『黄リー教』を3周してからようやく理解できるようになりました)。
ちなみに 進行形・受身・完了の例外は、L12-8、L12-16、L18-3にも登場します。
迷子になりそうなときは、ひとまずスルーするか、一か八か、この記事と照らし合わせながら、読み進めてみてください。
自信はありませんが…少しでも皆様のお役に立てることを願っています。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!
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