Lesson 5は『黄リー教』の最初の山場です。ただし辛いのはボリュームが多いからであって、恐らく内容は、すでに知っているものばかりだと思います。
Lesson 5の学習範囲は、前置詞(前置詞の目的語)、代名詞(主格、目的格)、動詞の目的語(O)、補語(C)、動詞型(=動詞の働き)です。
表でいうと、
が新たに加わります。
動詞の目的語と補語
Lesson 5のメインは「動詞型(=動詞の働き)」です。
ただし動詞型を正しく理解するためには、前提として「動詞の目的語(O)」と「補語(C)」を正確に区別する必要があります。
というわけで、改めて動詞の目的語と補語の定義を確認しておきましょう。
補語(C)
まず「補語」になる品詞は「名詞」と「形容詞」です。
そして名詞と形容詞で、補語の定義が異なる点に注意しましょう。
名詞 | 前置詞が付いていなくて、「主語」または「動詞の目的語」とイコールになる名詞 |
形容詞 | 動詞の助けを借りて名詞を説明する形容詞 |
形容詞の補語(aC)
まずは形容詞バージョンの補語から確認してみます。
1. 動詞の助けを借りて説明する
これについてはLesson 1で勉強しましたね。詳しくはそちらをチェックしてみてください。ようするに、動詞と協力して間接的に名詞を説明している、ということです。
2. 名詞
この場合の「名詞」は、「主語」か「動詞の目的語」を指します。そのため、
と言い換えても良さそうですね。
そして、
を表しています。
補語になる形容詞は、これらの条件を満たしていなければいけません。
これに対し、名詞バージョンの補語を見てみましょう。
そもそも形容詞の働きは「名詞修飾」と「補語」しかないため、名詞修飾でなければ補語になる、と考えることもできます。
名詞の補語(nC)
1. 前置詞が付いていなくて
前置詞が付いていると「前置詞の目的語」になってしまうため、まずはこれが前提条件になりますね。
※余談ですが、前置詞句が形容詞句として働き、結果的に形容詞バージョンの補語になる、という可能性はあります。問題5-3、5-7がその例ですね。
2. 「主語」または「動詞の目的語」
これは形容詞の時と同じで、
を表しています。
3. イコールになる
「イコール」の考え方は重要です。
この場合のイコールは「同じもの」であることを意味しています。
たとえば、
I am Bob.
この文の「I」と「Bob」は同じ人物を表していますよね。
あくまで同じ人物を「I」と呼んだり「Bob」と呼んだりしているのです。
I think him a great person.
これも同様で、「him」と「a great person」が、「I=私」の中でまったく同じ人物を指していることが分かります。
「My hobby is fishing.」のような抽象的な表現でも同じです。
一方で、
The leaves turned red.
はどうでしょう?
「The leaves」と「red」を名詞とした場合、もしかすると「葉っぱが赤いんだから、葉っぱ=赤でしょ?」と考えてしまうかもしれません。
でも実際には、「The leaves」は「葉っぱ」、「red」は赤という「色の名前」を指していますよね。
この場合、「The leaves」と「red」は同じものではない→イコールではない、という判断になります。
※種明かしをすると、この文の「red」はそもそも名詞ではありません。形容詞です。
このように「イコール」の判定をするときは、日本語訳に惑わされず、2つの名詞が「同じもの」であるかどうか、という視点で考えるようにしましょう。
長くなってしまいましたが、「補語」について整理してみると、次のようになります。
品詞 | 定義 | |
補語 | 名詞 | 前置詞が付いていなくて、「主語」または「動詞の目的語」とイコールになる名詞 |
形容詞 | 動詞の助けを借りて名詞を説明する形容詞 |
では続いて、「動詞の目的語」について確認してみましょう。
動詞の目的語(O)
「動詞の目的語(O)」になる品詞は「名詞」だけです。
定義は次のようになります。
1. 前置詞が付いていなくて
これは名詞バージョンの補語と同じですね。前置詞が付くと「前置詞の目的語」になってしまうので、これが前提になります。
2. 「主語」または「動詞の目的語」
を表しています。
3. イコールでない
名詞バージョンの補語と同じ考え方ですね。
「主語または動詞の目的語」と「名詞」が「同じもの」を指していればイコール、そうでなければイコールでない、という判断になります。
※先ほどのThe leaves…の例でいうと、仮にredが名詞だとしたら、イコールではない→動詞の目的語ということになります(ただしこの場合、SVOなのでturnは③となりますが、③のturnは「回す、向ける」という意味になってしまうため、何かオカシイことに気付くはずです)。
言い換えれば、
となります。
最後に「補語」と「動詞の目的語」を整理しておきましょう。
品詞 | 定義 | |
補語 | 名詞 | 前置詞が付いていなくて、「主語」または「動詞の目的語」とイコールになる名詞 |
形容詞 | 動詞の助けを借りて名詞を説明する形容詞 | |
動詞の 目的語 | 名詞 | 前置詞が付いていなくて、「主語」または「動詞の目的語」とイコールでない名詞 |
さて、「補語」と「動詞の目的語」が登場しましたね。またテキストでは「前置詞の目的語」の解説もされているので、まとめて加えておきましょう。
動詞型
「動詞型」はいわゆる「文型」のことであり、『黄リー教』では「動詞の働き」を表します。
先ほど説明をした「補語」と「動詞の目的語」が分かっていれば、あとは学校で教わる通りです。
というわけで、「動詞の働き(①~⑤)」を追加しておきます。
O as C
「O as C」の形は、テキストで紹介されている6つの頻出動詞以外にも、実はちょこちょこ登場します。
ただいずれにしても「考える、言う」という基本的意味は変わらないため、覚えておくと便利です。
動詞に当てる3本のスポットライト
P62では「動詞に当てる3本のスポットライト」として、
- 述語動詞か準動詞か?
- 活用は何形か?
- 動詞型は何番か?
が挙げられていますよね。
これは「動詞」を見つけた時の「思考のプロセス」と言えるかもしれません。
簡単に説明すると、次のような流れになります。
動詞には「述語動詞」と「準動詞」の2種類があります。それぞれ特徴が異なるため、正確に区別しなければいけません。
述語動詞と準動詞の区別に用いられるのが動詞の「活用」です。動詞を見つけたら、「活用」を基準に動詞の使われ方を特定し、そこからさらに述語動詞・準動詞を区別します。
述語動詞も準動詞もあくまで「品詞」です。構造図を完成させるためには、「働き」を特定しなければいけません。
動詞の使われ方や述語動詞・準動詞の区別ができたら、最後に動詞の働きを調べましょう。働きは「①②③④⑤-③-④-⑤」のいずれかであり、V-O-Cの関係によって決まります。
このような流れですね。
動詞を見つけたときは、必ずこの3つのプロセスで考えるようにしましょう。
ちなみに、この流れについてもう少し詳しく知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
以上がLesson 5の補足説明です。
「働きと品詞の対応表」がかなり埋まりましたね。
さて、Lesson 6はLesson 5に負けないくらい、かなりの難所です。
次に進む前に、ここまでの質問・問題を完璧に仕上げておきましょう。
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